再会は、健康診断で。
かえって呼べるのがうれしくて、何回も名前を呼んでいると恥ずかしいのか俺の腕の中でかえがもぞもぞと動く。
「かえも、俺のこと名前で呼ぶ?」
断られるだろうと思いながらそう言ってみるとかえは案の定、「平根でいい」と答える。
まあ、そうだろうな。予想通りすぎて思わずクスッと笑ってしまう。今はまだいい。そのうちに絶対、“航”名前で呼んでもらうからな。
「まあ、今はいいか。許してもらえただけで、いいや。好きだよ、かえ。今の俺を見て好きになって」
雷鳴が鳴り響くなか、俺は自分の中にある、かえへのあふれんばかりの気持ちを口にする。
「好き、大好き。かえ、好きだ」
いくら吐き出してもあふれてくるかえへの想いを伝えながら、俺は愛おしさを募らせてかえの柔らかい身体を抱きしめる。
守りたい。これからは、怖がりなかえのことを俺が守っていきたいと……そう思った。