再会は、健康診断で。

俺と正反対じゃんて言ったらそうだねって笑っていたから冗談なのかと思っていた。毎日メールもしてるし、会ってもくれてるからそんことあんまり気にしてなかったな。


ちょっとは俺に好意を持ってくれていると思ってたんだけど……もしかして勘違いだった?


「だけど、その人とは誘われても全然会ったりしてないみたいだけどって……全然聞いてないな」


「本当ですね。だけど平根には会ってるんだから、脈ありなんじゃねぇのって言おうとしたけど……やめときますか」


「そうだな。最後まで話を聞かない平根が悪い」


そんな先輩ふたりの会話などまったく耳に入らず、俺は思わぬ情報にただただ狼狽えていた。


ど、どうしよう。もしかしてかえ、その男ともデートしているのかな。


キス、とか……それ以上のこととかしてたらどうしよう。


かえ、彼氏いたことないって言ってたから、初めての男になれるんじゃないかって密かに喜んでたのに。


かえが顔も知らないその男に抱きしめられてるところを想像して、どす黒いものが身体中を渦巻いていくのを感じる。これは、嫉妬だ。


嫌だ、かえのことをとられたくない。絶対に嫌だ。


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