再会は、健康診断で。

『もう一回呼んで。好きって言って』

「……航、好き」


うう、これを来週は面と向かって言わなきゃいけないのか。でも、待たせてるんだから、頑張らないと。


『俺も、好き。早くかえに会いたい』


変わらずストレートに想いを伝えてくれる平根に胸が高鳴る。あ、なんか今すごく平根の顔が見たいかも。


「来週、ね」


ちゃんと、覚悟を決めよう。そして、平根の顔を見て好きって伝えようと思っていたのだけど……。


平根から週末会うのが無理そうだとメールがきたのは、その週の水曜日だった。


電話もメールもほとんど出来ないくらい忙しいらしく、次の週も会うことは出来なかった。


「なんか急ぎの仕事が入ったみたいで、とんでもなく忙しいみたい。宗一郎さんも毎日帰ってくるのが夜中で、朝も早く出て行ってるもん。ほの、しばらくパパの顔見てないよ」


高倉さんの旦那さんもかなりハードに働いてるらしく、ちょっと身体が心配だと高倉さんがため息をついている。


「和弥くんもです。なんか何年かに一回の修羅場だって言ってました。和弥くんも現場に出てるみたいですから」


結城さんの旦那さんは管理職だから、普段は現場に出ていないけど、今回はあまりの忙しさに現場に出ているらしい。

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