再会は、健康診断で。
「えー、俺もですか。ていうか、俺も帰ります。散々こき使われて休みなしでしたし。かえ、連れて行きますね。行こう、かえ」
平根に促されて、私も素直に立ち上がる。
「ま、平根にしてはがんばってたからいじめないでやるか。良かったな、ついに男になれて。よーく教育しといたから。がんばってね、かえちゃん」
結城さんの旦那さんに手を振られて、なにをがんばるんだろうと私は首を傾げる。
ニヤニヤした結城さんの旦那さんがなにか言おうとしたのころで、平根に耳を塞がれる。
「はいはい、結城さんの言うことは聞かなくていいから。じゃあ、すみません。お疲れ様でした」
「お疲れ。休みなしで、よく頑張ったな。ゆっくり休めよ」
「お疲れ様でした。高倉さん、結城さん、また来週」
私も先輩たちにペコッと頭を下げると、ふたりが笑顔で手を振ってくれる。
高倉さんの家を出て平根の車の助手席に乗ると、平根が私の顔をじっと見つめてくる。
「やっと会えた。ずっと会いたかった……まさか好きって言ってもらえてから三週間も会えないとは思わなかった」
「……ご、ごめん」
謝ると平根が苦笑いをして、私の頭をなでてくれる。