再会は、健康診断で。


だけど、今日は仕事に向かう間も、白衣姿の西川のことが頭から離れなかった。


元からかわいかったけど、あんなにかわいくなってるとか反則だよな。


会社に着いても西川のことで頭がいっぱいで、ボーッとしながら作業着に着替えて現場に向かう。


作業場に入ると、先輩である高倉さんと結城さんがまだいてちょっとびっくりする。


もう十二時近いけど、どうしたんだろう。


うお、桐生課長もいるし……やっぱりなにかトラブル?


現場主任者である高倉さんはともかく、結城さんと桐生課長がこの時間にここにいるとか珍しいな。


「お、平根。お疲れ」


俺に気づいた高倉さんが俺に笑顔を向けてくれる。今年四十七歳になる高倉宗一郎さんは、この会社一の技術を持つすごい人だ。俺はこの人を勝手に師匠と呼んでいる。


仕事のことだけじゃなくて、高倉さんは男の俺から見てもすごくかっこよくて憧れの男だ。


顔も少し面長で整っているし、落ち着いてて優しくて大人の男って感じがする。



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