再会は、健康診断で。

「喜べ、平根。しばらく現場で一緒だから、ぼろ雑巾のようにこき使ってやるよ。とりあえずお前、土日休みなしな」


結城さんのその言葉に、俺は目を見開く。


え、まじで? 土日はかえと甘々な時間を過ごす予定だったんですけど。


「え、やだ。俺、今、正念場なんですけど」


せっかくかえが俺に会ってくれる決意をしてくれたのに、心変わりしちゃったらどうしてくれるんだ。


だけど、そんな俺を結城さんは物凄い形相で睨んでくる。あまりの形相に俺は思わずひっと息をのんだ。


こ、怖っ！！


顔が綺麗な分、こういう顔をすると変な迫力があってめちゃくちゃ怖い。


「やだじゃねぇよ。お前に拒否権はない。信用問題に関わるからな、こっちも正念場なんだ、バカ。お前は成田さんと仕上げに入れ。規格外、絶対に出すなよ。出したらどうなるかわかってんだろうな?」


そんなとんでもないプレッシャーをかけて、結城さんは俺から離れて中子のほうに歩いていく。うわ、背中から出る不機嫌オーラがやばい。


「結城が現場に来てて、しかも荒れてるから気をつけろよって言おうとしたんだけど、遅かったな。まあ、気をつけようもないか。ま、でも本気でやばいから頼むな。頼りにしてるよ」


でしょうね、結城さんが現場に来っぱなしなんて相当だ。しかし、高倉さんは優しいなぁ。