再会は、健康診断で。

「俺の家とかえの家どっちがいい?」


俺の言葉の意味を理解してないかえがどっちでもいいなんて言うけど、こういうときは彼女に選ばせてあげろと結城さんが言っていたからその教えを忠実に実践する。


「かえの初めての場所になるんだから、かえが選んで」


その意味が分かったらしいかえの頬が赤く染まる。嫌がられたら我慢しようとは思っていたけど、かえは嫌とは言わなかった。


「……平根の家がいい」


かえがそう言ってくれたのを聞いて、俺は内心ガッツポーズする。拒否られなかったことが、めちゃくちゃうれしい。


「平根じゃないでしょ。名前で呼んでよ」


電話で名前で呼ばせたときの反応がかわいかったから、顔を見て名前を呼んでほしい。そんな俺のお願いに、真っ赤な顔をしたかえが俺を見上げる。


「航の、家がいい」


……かわいすぎだろ。こんなかわいいかえが、これから全部俺のものになると思うとすげぇ興奮する。


「あー、超かわいい。俺、がんばったかいあったかも。じゃあ、行こう。かえの家寄るから場所教えて」


嬉しくてたまらなくて、車を走らせる俺の顔は緩みっぱなしだった。


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