再会は、健康診断で。
初恋、実る
1
航の家に入ると、航が私の頬を包み込んでじっと顔を覗きこんでくる。
恥ずかしくて視線を合わせられない私に、航が小さく笑った。
「かえ、かわいいんだけどさ。俺のこと見て」
目線を上げると、愛おしそうに私を見つめている航と目が合った。
そのまま額がくっついて、至近距離で顔を覗きこまれて恥ずかしくてたまらなくなってくる。
「かえ、俺に言うことあるでしょ?」
片手で頬を包まれたまま、もう片方の手が背中に回ってぐっと身体を引き寄せられる。
目で早く言えと促されて、私は航の服をぎゅっと掴んだ。
「す……き」
恥ずかしくて声が震えてしまった私の必死の告白に、航は嬉しそうに笑って頬にチュッとキスする。
「俺も、好き。ね、もう一回言って」
「航のこと、好き……んっ」
もう一度好きと口にすると、それを飲みこむように航に唇を塞がれる。
「初めてのキスがあんなところでごめんな。やり直しさせて」
申し訳なさそうに眉を下げた航がさらに私を引き寄せて、何度も唇を重ねる。
たしかにあの時は悲しかったんだけど、そういえばあんな場所でってことがショックだっただけで、キスされたこと自体は嫌ではなかった。