再会は、健康診断で。

「西ちゃん、二一三号室の上田さんの所に同室の説明に行ってくれる?」


「あ、はい」


先輩にそう言われて、私は生まれたばかりの赤ちゃんの足首に巻いてある、お母さんの名前が書かれた名札を確認する。


上田恵実(うえだ めぐみ)さんで間違いないね。泣いている赤ちゃんを抱っこすると、すぐ泣き止んでくれる。


さすがに産婦人科で七年も働いていると、抱っこも完璧だよね。今すぐ出産しても新生児の世話だけは、完璧にできると思うな。


しかしこの子、かわいい顔してるな。すでに目が二重だし。


生まれた時から二、重の子っているんだよね。この子、将来はイケメンに育つかもしれないな。


上田さんは二十三歳の初産婦さんか。若いな。じゃあ、よく説明しないとな。


うちの病院では生まれた当日の赤ちゃんは一晩新生児室で預かって、次の日からお母さんと一緒の部屋で同室になる。


同室の説明はお母さんに赤ちゃんのオムツ交換や授乳の仕方、退院までのスケジュールなんかを説明することだ。


患者さんにナースコールで、赤ちゃんを連れて行く事を知らせてからナースセンターを出る。


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