再会は、健康診断で。
ああ、でも本当に夢じゃなくてよかった。かえが腕の中にいることがうれしくてたまらなくてぐりぐりと頬を頭にこすりつける。
「ちょっと、もう本当に犬じゃないんだから。ぐりぐりするのやめてよ」
「だって、かえのこと好きすぎてやばいんだもん。ある程度、愛情表現は自由にさせてもらわないと暴走して大変だよ、俺」
いや、本気で。一応大人ですけど、かえのことになると「節度ってなに?」状態になっちゃうから。
「いや、わかってるなら自制する努力して」
「かえなら、全部受け止めてくれると思うんだけどな。だって、俺のこと好きでしょ?」
呆れた目を向けられても、めげずにそう聞いてみる。昨日寝る前に好きって言ってもらえなかったし、かえに好きって言葉をたくさん聞きたい。
「……好き、だよ。わかった、受け止められる努力はする。でも、航も自分を抑える努力はして」
「んー、わかった」
俺が暴走したら大変なことがわかっているだろう、かえの言葉に俺は仕方なくうなずく。なんかこういうのも付き合ってるって感じで楽しいしな。