再会は、健康診断で。

桐生課長も結城さんも現場経験者だから頼れるし、うちの課はわりと仕事がしやすい。


普段は高倉さんがいるから結城さんは無駄に結構来るけど、桐生課長はたまにしか現場に来ない。


けど、なにかトラブルがあったらこうやって対処しに来てくれるから、やっぱり頼れるよな。


「さすがに娘は寝てますね。平根、甥っ子が生まれたんだろ。おじさんになったら心構えが変わったのか」


年は違うけど一番仲の良い先輩である高倉さんと結城さんは、妹が出産したことも俺が夜勤明けで病院に見舞いに行ったことも知っている。


高倉さんに笑いながらそう言われて初めて気がついた。


そういや西川のことでいっぱいいっぱいで、生まれたばかりの甥っ子の顔を見てくるの忘れたわ。


「顔見てくるの忘れました」


「はあ? 見に行って顔見ないで帰ってきたのかよ。お前、なにしに病院行ったんだよ」



「甥っ子の誕生が吹っ飛ぶくらいの衝撃的な出来事があったんですよ。それはまあ、また今度聞いてもらうとして、引き継ぎ聞きます」


仕事モードになった俺に桐生課長がトラブルのことを話してくれる。



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