再会は、健康診断で。

初めて航の実家にお邪魔したときは、お母さんと私が働いていた土岡産婦人科で出産した妹さんに熱烈な歓迎を受けて、いかに航が私への初恋をこじらせていたかをこんこんと説明された。


航が恥ずかしがっているかなり珍しい姿も見れたし、本当にずっと私のことを好きでいてくれたんだなってことがわかってちょっと感動した。


妹さんのめぐちゃんは、ストーカーになって犯罪を犯すんじゃないかって本気で心配していたみたいだ。


「かえさんのおかげで兄が犯罪者にならないですみました」、なんてかなり感謝されてしまって、苦笑いするしかなかった。


あのとき産まれた赤ちゃんが、物凄く航に似ていることも心配みたいで、「お兄ちゃんみたいになったらどうしよう」って言ってて笑っちゃったけど、兄妹仲はいいんだよね。


兄弟がいない私は、ちょっとそれがうらやましい。


航は「失敬な、俺だってそのくらいの分別はつく」って怒ってたけど、付き合ってない時期に二回もキスされているからあまり説得力はないよね。


まあ、好きになっちゃったから、そんなのはもうどうでもいいけどさ。


付き合い始めた頃より、私はずっと航のことを好きになっていて、もう離れることなんて考えられない。


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