再会は、健康診断で。
まあ、要するに故障で機械が止まっていて、準夜勤帯はほとんど仕事ができない状態だったらしい。
業者を呼ぶほどではなかったらしく、うちのトップスリー三人で直したらしい。
うちの会社は鋳物製造といわれる鉄を溶かして車の部品を作っている会社だ。
その部品の空洞になる部分に、中子(なかご)と呼ばれる砂の型を入れる過程がある。
主型に中子を嵌めて、溶かした鉄を入れて鉄が固まったら解枠という、中子だった砂を砕いて機械にかけて揺らしたりなんだりしながら綺麗に落とす作業をする。その作業をする機械が故障したらしい。
砂が詰まったりして時々故障するんだよな。直しちゃうところがさすがだ。
俺もいつかああなりたいなと素直に思う。
そんなわけで準夜勤帯でやるはずだったその工程が全部ストップしているから、夜勤帯でそれをやらなければいけない。
「分かりました。じゃあとりあえず解枠からやりますね。遅くまでお疲れさまでした」
三人に頭を下げて、早速仕事に取りかかる。結城さんがなにか言いたげな顔で見ているけど、さすがに仕事中に話すわけにはいかない。
こう見えて、わりと仕事に対しては真面目な俺だ。