再会は、健康診断で。

「俺も聞きたいんすけど。高倉さん前に聞いたとき、教えてくれなかったじゃないですか」


結城さんを見てため息をついた高倉さんがお前も話せよと、結城さんを睨んでからプロポーズしたときのことを話してくれる。


「俺は歩と付き合う前から、こんな子が嫁さんになってくれたらなと思ってたから。俺みたいなのじゃご両親も心配だろうからゆっくり進めるつもりでいたけど……歩がひとりだって知ったからすぐにプロポーズしたんだよ。一緒に暮らしたいと思ったから、ならちゃんとした方がいいなって。まあ、早く歩とそうなりたかったっていうのが本音だな。他の男にちょっかい出されるのも、ごめんだったし」


そう言って、なぜだか高倉さんはジロリと結城さんを睨んだ。それに結城さんは苦笑いしている。


歩さんはずっと母子家庭で、そのお母さんも病気で亡くしてしまって天涯孤独の身らしい。高倉さんもそうで、歩さんと付き合い始めた次の日にもうプロポーズしたんだとか。


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