再会は、健康診断で。
「俺、歩に関してはめちゃくちゃ心狭いから。ちゃんと自覚ある。俺が話したんだから結城も話せよ」
高倉さんにそう言われて、結城さんは肩をすくめる。
「はいはい。俺は、高倉さんの家に出産祝いに行った帰りに海で、ですよ。歩ちゃんがやっと千紗に会わせてくれたときも海に寄ったんで。別にその日にするって決めてはなかったけど、そうしたいなとは思ってたから。ほのを抱っこしてる千紗見たらなんとも言えない気持ちになって、そのままの勢いで? 今思えばもうちょっと計画たてればよかったかなと思います」
「ああ、俺もそれはそう思う。だから平根は偉いよな、ちゃんと計画たてて」
へえ、ちょっと意外だな。ふたりともそういうのちゃんと計画たててやりそうなのに。
「なんか意外っすね。ふたりともどうやって口説いたんですか? 結城さんは純粋な千紗ちゃんを言葉巧みにって感じて想像つくんですけど。高倉さんが謎すぎて」
「お前、ムカつくな。まあ、当たらずも遠からずだけど。千紗はしっかりしてるし頭もいい子だから、俺が本気だったから応えてくれたんだよ。俺、千紗がいないと生きていけないから」
目を伏せて穏やかな顔で微笑む結城さんに、なんだか死期が近いんじゃないかと心配になる。