再会は、健康診断で。
よく言うじゃん。人間、死期が近くなると仏に近くなるって。こんな穏やかな顔の結城さん、初めて見たわ。
「そんな穏やかな顔して、結城さん死ぬんすか?」
つい、そう思ったことをペロッと口にしてしまった俺を、
結城さんはギロリと睨んでくる。
あ、やべ。口が滑った。
身の危険を感じて逃げようとしたけど、一歩遅かった。結城さんの手が、がっと握りつぶすように俺の頬を掴む。
「うぃひゃい」
「平根、お前な。これから千紗の出産も控えてるのに、縁起でもないこと言うんじゃねぇよ」
ギリギリと力を込められて、たまらずに結城さんの腕を叩くけど離してはくれない。
「しゅみゅにゃしぇんべした。にゃにゃみゃりゅかりゃひゃにゃひて」
「は? なに言ってんだか全然わかんねぇんだけど。お前、ふざけてんの?」
ふざけてねぇし。結城さんが顔掴んでるから喋れないんですけど。本当にドSだな、この人。
俺、誓ってMじゃないんですけど。いじめられたい願望とかないし。かえのことだって、攻められるより攻めたいし。