再会は、健康診断で。

結城さんも、仕事がつまっているのがわかっているのだろう。なにも突っ込んではこなかった。この人、仕事に対しては鬼だからな。


それに早く帰って、かわいい嫁さんに会いたいだろうしね。


うらやましいよな、本当。俺も彼女欲しい。ずっと彼女欲しいって騒いでたけど誰でもいいわけじゃないんだよな。


今日会って思ったけど、やっぱり俺は西川がいい。西川じゃないと嫌だ。


きっと今、西川の中で俺は最低ランクにいるはずだからもうそれ以上下がることはない……はず。


ポジティブな俺は、そこまで来たらあとはもう上がるだけだ、なんて考える。


「じゃあ平根、あとは頼むな」


「はい。お疲れ様でした」


元気よく高倉さんに挨拶した俺を結城さんは気持ち悪いものを見るような目で見ている。


「気持ち悪いな、その張り切りよう。さては、女だな」


蔑むような目から一変してニヤッと笑った結城さんにぎょっとする。


突っ込まないわけなかったか。そういえばこの人、めちゃくちゃ勘がいいんだった。

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