再会は、健康診断で。
横顔だけど、かなりかっこいい人だ。もしかして、あれが噂の結城さんの旦那さんかな。
たしかにすごくかっこいい人だな。パートさん達がキャッキャッするの分かるかも。
そう思いながらその人の隣で血圧を測っている人を見て、身体の血の気が引くのを感じた。
慌てて腹囲のカーテンの中に入ってドキドキを超えてドクドクとすごい速さで音をたてている胸を押さえる。
嘘でしょ。な、なんであいつがここに。
結城さんの旦那さんだと思われる人の隣にいたのは、間違いなくあいつ……平根だった。
ど、どうしよう。すごく逃げたい。だけど、どうやって逃げたらいいんだろう。
出入口は一ヶ所で、血圧の前を通らなきゃいけないし、腹囲を誰かに頼んでいかなきゃいけない。そうしたら、ここから顔を出さないといけない。
どうにかして逃げ出したいところだけど、逃げる術がなくてカーテンの中でひとりウロウロと歩き回る。
「すいません、腹囲お願いしま……す」
どうしたらいいのか分からずにちょっとパニックになっているところに、平根がカーテンの中に入ってきて私は慌てて背を向ける。だけど、そんなことでごまかせるはずもない。