再会は、健康診断で。
「平根、お前、なにそんな時間かかって……は? なに、この状況。お前、なにやらかしたの?」
そんな中、背の高い綺麗な顔をした男の人が腹囲のカーテンの中に入ってきた。その人は泣いている私にぎょっとしたように目を見開いて、平根と私を見比べている。
「結城さん、どうしよう!俺、やっちまいました!」
きっと親しい関係なのだろう。泣きそうな顔ですがりつく平根に、その人は少し考えてから盛大なため息をついた。
「あー……だいたいわかった。歩ちゃんじゃなくてこっちかよ。とりあえずお前、他の検査行ってこい」
「え、でも……」
床に落ちていた問診表を拾って、平根に押しつけたその人があきれ顔で平根を見る。
「でも、じゃねえよ。今はお前がここにいても状況が悪くなるだけだから。早く行け」
「でも、俺まだ腹囲測ってないんすけど」
たしかにまだ平根の腹囲は測っていない。でも、無理。仕事とはいえ、今は平根に触れるのも嫌だ。