再会は、健康診断で。

「わかってますよ。もう、終わりましたよね」


下を向いて、ため息をついた俺の頭をまた結城さんが殴ってくる。


「いってぇ」


さっきより痛いし、絶対グーで殴ったな。


「会えて、我を忘れてキスしちゃうくらい好きなんだろ。簡単にあきらめんなよ。健診センターにいるなら俺も協力できることあるし」


思いがけない結城さんの言葉に、驚いて顔を上げる。


俺と目が合った結城さんが、ニヤッと笑った。うわ、すごい結城さんっぽい嫌な笑いかただ。かっこいいのがまた嫌みだし。


「それともあきらめる? こじらせすぎて他の女好きになれないんだろ? まあ、そのまま女を知らず一生独身でいたいっていうなら別にいいけど」


結城さんの言葉に、俺は勢いよく立ち上がる。そんなの嫌だ。俺、やっぱり西川のことが大好きだ。


「あきらめたくないです。俺、西川と結婚したいっす」


高倉さんと結城さんみたいに、大好きな人と結婚できたらすごく幸せだろうなと思うから。


俺、結婚するなら絶対に西川がいい。


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