再会は、健康診断で。
平根が私のことを好きだったと知ってから、優しくしてもらったことや照れたような、恥ずかしそうな平根の顔ばかり思い出す。
それからこないだ見た泣きそうな顔の平根を思い出して、胸がズキズキと痛んだ。
仕事を終えて家に帰ってから、平根にもらった手紙を鞄から出してテーブルの上に置く。
しばらくそれを見つめてから、意を決してその封筒を開き始めた。
破らないように細心の注意を払いながら封筒を開いて、中から折り畳まれた便箋を取り出す。
大きく深呼吸をしてから、封筒と同じ綺麗なピンク色のその便箋を開いた。
西川かえ様の書き出しで始まるその手紙を見て、思わず笑みがこぼれる。
「……相変わらず、字が汚い」
そこに書かれた字に懐かしさを覚える。平根は勉強はできたけど、小学校の頃から字が汚かった。
見覚えのあるその汚い字は、確かに平根のもので、一生懸命綺麗に書こうとしてる努力が見えて、なんとなく温かい気持ちになる。
平根からの手紙には、こないだのキスの謝罪と、ずっと私のことが好きだったこと。今もそれは変わらないこと、ずっといじめていたことに対しての謝罪の言葉が書かれていた。