再会は、健康診断で。
昼休みに食堂で会った結城さんに、手紙を高倉さんに渡したことを報告する。でも、やっぱり結城さんはひどかった。
「やっとかよ。二日もかかりやがって、遅いんだよ。そんなに時間かけたって、きったねー字は綺麗になんねぇだろ」
「結城さんに言われたくないっすよ。結城さん手紙とか書けないでしょ。結城さんも字汚いっすもんね」
この人、本当に文章とか書くのが嫌いで、よくそれで桐生課長怒られてる。まったく気にしてないけどね。
健診の問診票さえ書くのが面倒らしく、全然書かないで行って歩さんに怒られてたこともあったな。
それでよく管理職やれてるなって思うけど、頭がいいし数字と機械に滅法強い。決断力もあって、現場を動かすのもうまいから、そこを買われている。
バリバリの理系人間なんだよな、この人。俺もだけど。仕事の面では本当にすごいから尊敬しているところも多い。
「うるせぇな。あんなん読めればいいんだよ」
「読めないけどな、お前の字。平根よりひどいかもしれない」
結城さんの隣で、奥さんお手製の愛妻弁当を食ってる高倉さんがそう突っ込む。