再会は、健康診断で。

私は平根からの手紙が届くたびに、その手紙を何度も何度も読み返した。


いつの間にか平根からの手紙を心待ちにしている自分に戸惑いながら、平根の想いを私はうれしいと感じていた。


「はい、かえちゃん。平根くんから」


高倉さんに差し出されたその封筒を私は受け取った。十通を超えた私の手の中にあるその手紙を見下ろす。


今日は薄いピンクに青い鳥が描かれた封筒だ。毎回違うもので届くけど、平根はどんな顔でこんなにかわいらしいデザインのものを買っているんだろう。


自分の気持ちの変化を自覚して、私は高倉さんを見た。なにもかもわかっているみたいに優しい笑顔を浮かべている



「あの、高倉さん。お願いがあるんですけど……」


その笑顔にも背中を押されて、私は高倉さんに平根への伝言を頼んだ。


そして私は、仕事を終えてから地元の公園のベンチに座って平根を待っている。


ここも私と平根の思い出がある場所だ。大きなカエルを持った平根に追いかけられて、ここの遊具に隠れていたら雨が降ってきて雷まで鳴り始めた。それが怖くて震えていたら、ずぶ濡れの平根が現れた。


俺がいるから大丈夫だって、私の手を握ってくれたんだよね。急に優しくなった平根に戸惑いながら、そばにいてくれたことに、その手のぬくもりにすごく安心したことをよく覚えている。
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