再会は、健康診断で。
「ごめん、西川。待たせた?」
幼い頃の思い出に浸っていると、そんな声が頭の上から降ってきて私はハッと顔を上げる。
そこにいたのは不安げな表情をした平根で、その顔にドキッとしながら私は慌てて首を横に振る。
「ううん、待ってない。私こそ……急に呼び出してごめん」
「いや、顔見れてうれしい」
私の言葉に安心したように本当にうれしそうに笑った平根にドキッとして、私は慌てて目を逸らす。
な、なんだろう。なんで私、こんなにドキドキしているんだろう。
「隣、座ってもいい?」
平根にそう聞かれて私はうなずいた。平根が私の隣に座って、懐かしそうに公園を見回す。
「懐かしい、ここ。小学校の頃よく遊んでた」
「私も思ってた。カエル持った平根に追いかけ回されたこもとか、雷が鳴ったときのことか」
そのときのことを平根も思い出したのかああ、と相づちをうった平根が苦笑いをする。
「あれは、西川に誉められたかったんだよな。すごいって言われたかったの」
「私、カエル苦手だもん」
「アホだから、西川がカエルが苦手とか思わなかったんだよ。雷が鳴ったときは、西川が怖がってると思って必死に探したの」
懐かしむように笑っている平根に、そうだったんだと思う。その横顔を見つめていると、真剣な顔をした平根が私のことを見た。