all Reset 【完全版】
隅に置けないって……。
なんも言ってねぇだろーが、女とか。
「面倒な電話は出ない主義なんで」
ジロジロ送られる視線を跳ね返すつもりで言い返す。
どんな答えを求めてるのか知らないけど、そんなに見られても困る。
「あっ、おい、アレ」
ふと亜希を見ると、鉄板の上が大変なことになっていた。
良平が目を離した隙に、焼き上がり間近だったお好み焼きはぐっちゃぐちゃで、見るも無残な姿に……。
どうやら亜希が遊んだしまったようだ。
「え? あー! 亜希、何やってんだよ?!」
俺にちょっかいを出したお前が悪い。
そう思いながら俺は笑いそうになった。
「お前が全部食えよ」
意地悪く言うと、良平は鉄板の上を見てガクッと項垂れた。