all Reset 【完全版】
俺から見れば、OLなんてお気楽なもんだ。
仕事をして、エステだ何だに金を使い、ブランドものを身に付ければ満足する。
それが、彼女たちの生きがいなんだと俺は思っている。
偏見かもしれない。
でも、俺の目には彼女たちがそう映る。
『かっこいい男の子連れて歩くのって、何か優越感』
いつかの女が言っていた。
褒め言葉のつもりだったと思うけど、真っ平だった。
所詮そんなもんだ。
“お飾り”にしかすぎない。
俺はそんな女に興味も持たないし、感情なんて何も湧かない。
「ハァ…」
思わずため息がもれた。
今の俺には……
何かが足りない。
どこにいても……
何をしてても……
何かが足りてない……。
それが何だか、俺にはわかってる。
亜希の中から、俺の存在が消えたこと。
俺に対する、亜希の新鮮なリアクション。
見え隠れする気持ち。
その全ては俺にとって、当たり前に存在した幸せだった。
この空虚な感じは、もしかしたら永遠に埋まらないかもしれない……。