all Reset 【完全版】
でも、俺は飛んできた拳を上手いこと避け切った。
こんな奴に殴られる筋合いなんてない。
むしろ、こっちが一発殴ってやりたいくらいだ。
それでも納得いかないらしいスダは、俺に詰め寄り胸倉を掴み上げる。
「……喧嘩売ってんのか、テメェは?」
勢いづいたスダは、物凄い形相をして俺の顔を睨み付けた。
視界に入ってきた亜希は恐怖におののいていて、両手で口を覆い、目を見開いてこっちを見つめていた。
「……今後一切、亜希に関わるな」
込み上げる怒りを抑え、俺はそれだけを言ってスダを振り払った。
怯えて立ちすくむ亜希の手を取り、無言のままその場を立ち去った。