all Reset 【完全版】
サークルと元彼
面白くない授業。
そう思って行ってみたら、教授の都合で休講になっていた。
ラッキーっていうより、時間を潰して学校に来たわけで、最悪って思うほうが強かった。
仕方なく図書館に寄って、一時間くらいかけて課題を終わらせた。
来たからには無駄足にしたくない。
「おい、授業は?」
帰ろうと思って歩いていると、さっき慌てて授業に向かった良平に呼び止められた。
横には、結局付き合ったらしい彼女がいた。
「……いきなり休講」
「えっ、マジでっ?」
でかいリアクションで良平が反応すると、横にいる彼女がぺこりと会釈した。
俺も軽く頭を下げてみる。
「あれ、アイツは? 亜希」
「あぁ……何か、サークルがどうとかって言ってた」
ここに来る前、授業が終わった亜希にばったり会った。
その時、確かそんなことを言っていた。
「サークル? あいつ、サークルなんか入ってんの?」
え、知らなかったのかよ……。
良平はどうやらそのネタ自体を知らなかったらしい。
妙に食い付いてくる。
「えー、亜希先輩どんなサークルに入ってるんですか?」
それまで黙っていた隣の彼女が話に割り込んだ。
「どんなサークルかは、俺もよく知らないけど……特に何かやってるサークルとかじゃないらしい」
「へ~……そうなんですか」
彼女は答えになってない俺の回答に、にこにこと笑顔を振りまいた。
「ってことで…じゃな、お先」
「え、もう帰んの?」
「おう、今日はもう授業ないから」
俺は答えてその場を立ち去った。