all Reset 【完全版】
黙ったままの亜希を連れて部屋に戻ると、俺は出されていたアルバムを床に広げた。
亜希は落ち着かない様子で部屋の中を見回している。
目についたのか、転がってるバスケットボールをじっと見つめていた。
この部屋にだって、亜希は何度も出入りしていた。
女を入れたことがあるのも亜希くらい。
文句を言いながら勝手に人の部屋を片付け始めたり、入り浸ってることだって昔はよくあった。
「うわっ、若っ……」
写真はうちの母親がよく撮っていた。
記念記念と、事あるごとにカメラを手にしてたおかげでずいぶんな量に……。
その写真のほとんどには亜希が一緒に写っている。
亜希は少し離れてちょこんと女の子座りをすると、遠巻きに広げたアルバムを見つめる。
そんな遠慮がちな亜希の隣に座り直し、俺はページをめくり始めた。