all Reset 【完全版】
第六章 変わりゆく関係
偽りへの終止符
原宿を見渡せる一面がガラス張りのカフェ。
空に突き出すビルの屋上がいくつも見える。
向かいに座る尋乃は、さっきから黙ったまま外の景色を見ていた。
言葉が見つからず、会話が無い。
ジーンズに腰巻きのエプロンをした店員が、緑と白の二層になっている抹茶ラテを尋乃の前に置いた。
尋乃に呼び出されて今日は会っている。
断ってばっかりの俺にしてはかなり珍しい。
今日会ったのには、訳がある。
今日……
別れを告げる。
俺はそれを決めて今日来ていた。
もう迷いも、引き止めるものも何もない。
他愛のない話をされても、相づちを打つくらいしか相手にしてられない。
それくらい、俺の頭はいっぱいだった。
空気を読んでいるのか、尋乃はやたら明るく振る舞っている。
それを感じ取りながら、時間が過ぎてくのはこんなに遅いのか……なんて、一人思っていた。
どのタイミングで言うか……。
そればっか考えてた。