all Reset 【完全版】


――。



【えッ、やっちゃったって…… ○○先輩と?!】



――?!



【……うん、実は…】


【いつの間にそんなことになってたのよ?!】


【いやぁ、流れでっていうか……成り行き?】


【ちょっと待ってよ、何で話してくれなかったの?】





――うっ……。



って、ヲイッッ!


その“やっちゃった”かよ?!


何でそんなこと訊くんだ?!


やっぱり漫画の影響じゃんかよっ!



「……ね? どういう意味なの?」


「あー、いやぁ……」



言えねぇーっ!

言えるわけないしっ!


どうしてくれんだよ?!


俺に説明しろって?



「あー、ごめん……俺もわかんないかも」



誤魔化しがてらヘラヘラ笑ってみる俺。


亜希の今の精神年齢がいくつか知らないけど、言えないでっしょ、教育上。


そんな究極の気まずさの中、見下ろす体勢で亜希の広く開いたニットの襟ぐりに目が止まった。


心臓がバクッっと音を立てる。


きめの細かい白い肌に、くっきりと形を張り出す鎖骨。



この角度からきわどい感じで……


ピ、ピンクの……


ブラヒモ、が……。



やっべぇ……。


どこ見てんの? 俺は。


何でこんなときに頭がエロになるんだよっ!


俺って単純……。



頼むから、今は勘弁してくれぇー!




「そっかぁ……良平くんにもわからないんだ」



何の気まずさもなく呟く亜希に、俺は呆然とするしかなかった。



どうしよう、どうしよう。

心臓がそんな音をたてていた。


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