all Reset 【完全版】
わたしには、好きな人の気持ちを尊重してあげられる強さも、優しさも、備えられていなかったみたいです。
大好きだからの一点張りで、困らせて……邪魔ばかりで……。
自分の気持ちばかりが優先だった。
わたしはきっと……
先輩に何もしてあげれなかったね?
最後は……
笑って「ありがとう」くらい、言いたかった。
先輩を好きでいたわたしの時間は、幸せでしたって……
「ありがとう」って……
伝えたかった……。
先輩……ごめんね?
ありがとう。
バイバイ……良平先輩。
「いいな……亜希先輩は」
消えかけた呟きと共に、空も悲しい涙を流し始めた。
「何、今のって修羅場ってやつ?」