all Reset 【完全版】
俺は、亜希はどこにもいかないと思ってた。
今までもこれからも、亜希は幼なじみとしてそばにいる。
もしかしたらもしかしたらで、ずっと一緒にいた俺のとこに最終的には来てくれるかもしれない。
そう思うくらい、亜希は身近な存在だった。
でも、秀と逢わせたあの瞬間。
亜希は見えない速度で遠ざかっていった。
二人を逢わせたことを、後悔しなかったなんて言ったら嘘になる。
でも、これは運命。
運命なんて女が好きそうな言葉を、俺は信じてもなかった。
でも、あるかもしれないって、あるときから思った。
亜希と秀は出逢う。
二人は、互いを想う。
これが、運命。
全ては決まってたのかもしれない。
全ては巧妙に絡み合った、運命。
きっかけを作った自分を恨んだ。
けど、俺が二人を逢わせたのだって、きっと組み込まれてた運命。
そう思えた。
本当は亜希の一番でいたいと思う。
今だってそう思う。
でも、亜希の一番はやっぱり秀だと思う自分もいる。