all Reset 【完全版】
time-limit
年が明けた。
新年独特の慌ただしさも一段落して、俺は正月をいいことに家に引きこもっていた。
『高校の体育館にいるんだけどさ、今から来れる?』
だらだら正月番組を観てるとスマホが鳴った。
誰かと思えば、その相手は亜希。
妙に懐かしい気がしてカレンダーで数えてみると、最後に会った日から二週間が経っていた。
どうりで懐かしいわけか……。
なんて思いながらすぐに家を出た。
道路には新年早々に降った雪が所々残っていた。
連なる家に沿って、小さな山が何個もでき上がっている。
熱さの無い太陽に溶かされ、路上をびしょびしょに濡らしていた。
高校は男の足で歩いて十分かからない場所にある。
歩きながら、俺は全体的な意味のわかんなさに頭を悩ませていた。
急に呼び出しって何事?
しかも、何で高校の体育館?
そんな疑問と同時、緊張もしてた。
二週間前の、あの気まずい別れから亜希とは会ってない。
電話を取るのだって一瞬躊躇った。
ぶっちゃけ、どんな顔して会えばいいかもわからない。
まず謝るべきか?
雨の中考えた台詞を思い返したりした。
そうこうしてるうちに、高校の門は近付いてきていた。