all Reset 【完全版】
何だかんだで二年生になり、わたしたちは同じクラスになった。
秀とちゃんと関わりを持てるようになったのは、正確にはこの辺りからだったと思う。
良ちゃんの影響か、秀はわたしを“亜希”って呼ぶようになった。
それまで「あのー……」なんて話し掛けてたわたしも、いつしか名前で呼べるようになっていた。
秀はあんまり人を寄り付けない人だった。
みんなが気軽に話し掛けられないオーラみたいなものを放っていて、いつも話してるのは決まった人。
もちろん、わいわい騒いでる姿は一度も見たことが無かった。
でも、その“決まった人”の中には、いつからかわたしも含まれていた。
そうしてくれたのは秀の方で、わたしが慣れるまでの間、話し掛けてきてくれたのはほとんどが秀の方からだった。
それが無かったら、わたしは秀と気軽に話せなかったかもしれない。
初めて逢った日の緊張感。
それは同じクラスになってもしばらくの間続いていた。
でも、同じクラスになって良かったと思った。
一年のときにはわからなかった秀のこと。
それをわたしは次々と知ることができた。