all Reset 【完全版】
“交換”じゃなくても、日記ってやつを書くのが人生で初めての体験だった。
一体何を書けばいいんだよ?
なんて思いながら、俺の書くことは毎回同じような面白みのない内容ばっかりだった。
そんなやり取りの中で、俺はいろんな想いになった。
動揺、逃避、希望、決意。
全ては亜希を想う自分が感じた感情で、どの気持ちも究極のものだった。
それは、やっぱり俺自身の成長だったと思う。
この一冊のノートは、俺と亜希を繋ぐ大切なアイテムになってくれた。
亜希を想う気持ちの深さを教えてくれた。
今日、これを亜希に渡す……。
渡して……自分の口で言う……。
想う気持ちをそのまま、ストレートに伝える。
亜希……。
今から行くから。
閉じたノートを手に、俺は部屋を後にした。