all Reset 【完全版】
向こうから歩いてきてた男が真正面からぶつかってきた。
何だよ、
コイツ……。
手にしてた日記が地面に落ちる。
落ちた日記を追って足元を見ると、なぜか筒状になった新聞紙が腹から伸びていた。
は?
何、コレ……。
「う゛っ……」
パサッと新聞紙が落ちていく。
その落下速度がスローに見えていた。
「…くっ……っ……」
新聞紙はまるで“それ”を隠すための包装のようだった。
何っだ、コレ……。
“それ”を見たとき、単純にそれしか思えなかった。
筒状になった新聞紙から現れたもの。
それは何かの柄だった。
それが何なのか、俺にはすぐに判断がつかなかった。
アスファルトに黒い染みが点々と落ちていく。
俺……
刺されてんじゃん。
また単純にそう思った。