all Reset 【完全版】
「な、に……?」
今さっきまで盛り上がっていた自分はほとんどいなくなっていた。
突き落とされる崖っぷち寸前。
それでも少しの期待を持って、かろうじて生かされてる感じだった。
秀がもし来れないなら、理由なんてきっと聞けない。
怖すぎて……聞けない。
来れないってことは、わたしとは会えないってことは、やっぱり、駄目だってこと?
ここまできて、そういうことなの?
どうして?
さっき……来てくれるって言ったよね?
すぐ行くからって……言ったじゃん!
嘘だったの?
嘘……でしょ?
「さっきから何? はっきり言ってよ!」
舞い上がってた自分が途端に惨めになった。
そのどうしようもない気持ちが電話先の良ちゃんに向かう。
やっぱりわたしに会えないからって、良ちゃんに伝える?
もしそうなら……
ひどいよ……。
秀は、そんなことする人じゃないって……そう思っちゃ、駄目なの?
『……今すぐ来い。場所は』
興奮気味なわたしに構わず良ちゃんはそう言った。
でも、その声は震えていた。