all Reset 【完全版】
看護師が俺らを連れて行ったのは病院の地下一階。
霊安室だった。
秀のおじさんも、社会人になって家を出てた秀の兄貴もそこにいた。
おばさんは完全に正気を失い、秀に覆い被さるようにして泣き続けていた。
看護師に連れて行かれた場所がどこだかわかった途端、亜希は俺を振り切って逃げようとした。
暴れて、静かな病院に悲鳴が響き渡った。
腰を抜かしたように廊下に座り込み泣きじゃくった。
「どうして?!」
「そんなわけない!」
「秀じゃない!」
「嘘だって言ってよ?!」
それを連呼し続けた。
半信半疑のような気持ちが一気に事実だと突き付けられたとき、亜希に冷静さなんかあるはずもなかった。