ビターチョコレート
「みっくんはね、いま家を出てで恵比寿で独り暮らししてるんですって!」
…知ってるし。
「六本木のIT企業で働いているらしいわよぉ!ヒルズ族ね!ヒルズ族!」
それも知ってる。
住んでいない人はヒルズ族とは言わないんだけどね。だけど突っ込むことも面倒だ。
「昔はあんたともよく遊んでたけど、いつの間にそんなに差が着いちゃったのかしらねぇ」
母がため息混じりに言う。
「産まれる前からじゃない?!」
私は語気を強めて言い返す。
いつものお小言だったけど、不意にみっくんに会って動揺した上にこんな酷い格好をしていたところを見られた羞恥から母にやつ当たりする。
「んまぁ!」母は大きく目を見開く。
「あんたね!そうやって30過ぎても環境や親のせいにしてるからダメなのよ!大体ね…」
しかし、母はしゅんとなるどころか、逞しくも応戦してくる。
…知ってるし。
「六本木のIT企業で働いているらしいわよぉ!ヒルズ族ね!ヒルズ族!」
それも知ってる。
住んでいない人はヒルズ族とは言わないんだけどね。だけど突っ込むことも面倒だ。
「昔はあんたともよく遊んでたけど、いつの間にそんなに差が着いちゃったのかしらねぇ」
母がため息混じりに言う。
「産まれる前からじゃない?!」
私は語気を強めて言い返す。
いつものお小言だったけど、不意にみっくんに会って動揺した上にこんな酷い格好をしていたところを見られた羞恥から母にやつ当たりする。
「んまぁ!」母は大きく目を見開く。
「あんたね!そうやって30過ぎても環境や親のせいにしてるからダメなのよ!大体ね…」
しかし、母はしゅんとなるどころか、逞しくも応戦してくる。