ビターチョコレート
私は縄張り争いに負けた猫のように素早く階段を駆け上がり、自分の部屋へと退散する。

「ふわぁぁぁ」

デッカいため息をついて小学校の頃から二十年以上使っているシングルベッドにドサリと横たわる。

ふと先ほど見た凛々しいみっくんの姿を思い出す。

確かに素敵だったな…

「いつの間にそんなに差が着いちゃったんだろ…」

母に言われたお小言が不意に口をついて出た。
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