2500万年の周期
同窓会の幹事をしている友達から葬儀の日程の連絡があった。
物静かだけど友達の多かった彼だ。きっと沢山の同級生が葬儀に参列するだろう。


でも私はそれを避けるように通夜に行った。他の同級生達と同じに彼を見送りたくなかったから。彼は特別だから。




少し迷ったけれど旧姓で記帳した。




その名前を見た彼の妹に声をかけられた。
遺影にする写真を探すために入った彼の部屋で私からの手紙を、見つけたのだと。


まさか文通してた彼女がいたなんて知りませんでした。兄は筆不精で字も汚かったですから、と憔悴しきった顔に少しの微笑みをうかべて話してくれた。
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