歌姫~♂王子と姫♀のLast love~『完』
隼人に連れてこられたのは、スタジオからすぐの自販機がある休憩スペースだった。
「優君は何にする?」
「悪い。俺はコーヒーで。」
「了解。ブラックでいーんだよね。」
こくり。
気が引けるが、財布をスタジオに置いてきたままだったので隼人におごってもらう事にした。
「はい。」
「さんきゅーな。」
あつ…。
俺とは正反対で隼人が呑んでいるのは甘ったるそうな100パーセントオレンジだ。
「…コレ。新ユニットを組んだせいで杉山さんいじめられてるぞ。」
「……やっぱりか。」
予想的中。
隼人が見せてきたのは、無残にバラバラとなった愛への嫌がらせの手紙だった。