歌姫~♂王子と姫♀のLast love~『完』


「すみません。休憩入れてもいいですか?」

「じゃあ、撮影の続きは10分後でいいかな?」

「ありがとう。」

優が痺れを切らしたんだ。
こんな同じユニットのパートナーじゃ、呆れるの当たり前だよね。


「愛、来いよ。」


…。
優、怒ってる。



「ったく。ほら、行くぞ。」


「えっ…」


優は、私の手を引っ張ってスタジオのドアに向かう。
こっちを向いてくれない優に、嫌われちゃったんだと確信した。



ヤバい。
泣きそう。




「優も愛ちゃんも。10分後までには帰ってくるんだよ!」

「わかってるっつーの。」


マネージャーの問い掛けに、優はウザそうに返事をし、私達はスタジオを後にした。

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