歌姫~♂王子と姫♀のLast love~『完』
side、愛






「ぃ…。あーい!!」

ばんっ


頭に痛みが走った。
ふと顔をあげると、目の前には美紀。
手には英語の辞書。

「ふぁあっ!み…美紀!?痛いじゃん!」

「はぃはい。何、変な声だしてんのよ。授業終わったよ~。」

クラスの子は、移動を始めている。
けど、私の机の上には前の授業の教科書が開かれていないまま置いてあった。



「あ…。うん。」

「愛、あんた大丈夫?この間の合コンから変よ?」

「…。」

「ー…ぁっ!私と遥なら、襲われそーになった時に無事に逃げ出したんだから大丈夫だって!!何回も言ったでしょ~」

「違うの。ー…ただ、好きな人ができたんだよね。」



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