歌姫~♂王子と姫♀のLast love~『完』
でも、向こうは私の名前知ってるんだよね…
聞かれたから答えただけだけど…
『近いうちにな…』
幾度となく頭の中でリピートされる男の声。
「「「キャー♪」」」
突然クラス内に響いた女子達の声。
振り向くと、一冊の雑誌を取り囲んだ女子の集団が目をハートに輝かせていた。
その集団の中には、さっきまで私の近くにいた美紀も混ざっている。
「美紀…。いつのまに……」
「今月号のミュンミュンの表紙、優じゃん!!」
「かっこいー…。」
「彼氏になって~」
「彼女いるでしょ。」
「いないわよ!!優様は、私たちみんなが好きなのよ!」
「もし、居たとしても……ふふっ」
集団から聞こえてくる様々な女の子の声。
最後の笑み…怖いなあ……