歌姫~♂王子と姫♀のLast love~『完』
…~♪~♪~…ー♪
俺は、引きつけられるように、その声のするところに近づいた。
♪~ー♪~…
公園の中でも、かなりの人だかりができている場所。
人が多すぎて、どんな子が歌っているのか見えない。 ー…みたい。
「………ありがとおございましたっ!!」
歌に聞き入っていたら、彼女の顔を見る事さえ忘れていた。
やばっ…。
俺は帰り始めた人だかりをかき分けて、彼女を探した。
だが、もう帰ってしまっていたらしく、いくら見渡しても歌っていた本人らしき人物はいなかった。
あの透き通るような優しい声。少し、寂しさがあった声。
どんな子だったんだろうー…