親愛なる君が人魚であるはずがない
「あぁ、やはり美しい。深い海のようなセルリアンブルーの瞳。絹のように柔らかで艷やかな髪…貴女は私の理想だ」
(すげぇ口説いてるけど自分に酔っている感がひどい。こいつナルシストだな?)
恍惚とした表情で王子は微笑みかけます。
「どうだろう?…貴女は声を出せないんだね?事故のショックか…」
(事故って言えば事故だな…)
「名はなんと?」
姫は困りました。
姫は大学で第二外国語の人間語を習っていました。ある程度は理解ができます。
しかし、ある問題が浮上しました。
姫は読めるし話せるのですが書けません。
基本的に課題はユーリの物を写して提出していました。
対話形式のテストは出来ていたので見過ごされていた事実です。
(あの講座をもっとしっかり受けていれば…)