親愛なる君が人魚であるはずがない
(海の底だよ。そこでも一国の姫だったんだぜ。まぁ、男なんだけどな)
曖昧に笑う姫に何かを察した侍女は慌てました。
「記憶がないのですね?は、思い出すのもつらいとか…?」
(いや、海はサイコーだよ。泳げるし)
姫のヒレは足になっていましたが、その脚で歩くたびに剣山の上を歩いているような激痛に襲われます。
(ハイリスクすぎるだろ、王子の嫁候補)
しかもそのうち飽きられて捨てられる。
なんて残酷な。