親愛なる君が人魚であるはずがない

「王子とのご婚約は嫌でしたか?」


(まさか、俺には勿体無いくらいの優しいやつだよ。まぁ、可愛い子には弱いけど)




「心配なんです」


姫はポツリと送られた言葉に驚きました。

見ず知らずの自分に優しい言葉をかけてくれるこの少女の存在が懐かしい彼女とかぶって見えました。


「…アーサー様は末の王子ですので国を治めることはありません」


(その方が俺は気が楽でいいけどな)



「そのため大変な遊び人で…」


(一目見た時から遊んでそうとは思った)


姫は感じ取りました。

この侍女、もしかして王子のことが…?
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